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『人生生涯小僧のこころ―大峯千日回峰行者が超人的修行の末につかんだ世界』の写真

仙台に高僧あり!
★★★★★
2008-09-15
塩沼師を知ったのはNHKのテレビだったと思います。
自分と同世代でこんなに温厚で偉いお坊さんがいらっしゃるんだなというのがその時の素直な印象でした。
その後本書を読んであの笑顔に達するまでの超人的修行に絶句しました。本書内の写真でも修行が進むにつれて表情が変わっていってるように感じます。巻末の現在の笑顔は『行を終えて行を捨てた』境地にある人ならではのものだと思います。
行の凄さは皆さんのレビューの通りですが疲労困憊の中で毎日つけていた日記の文章にも心を打たれました。
日々怠惰な自分に喝を入れるべく座右に置いて読み返しています。

日々の生活が修行であることを
★★★★★
2008-08-23
日々の生活がまさに修行であることに改めて
気付かせてくれた本。
毎日48キロの道のりを歩くこと。
雨の日も雷雨の日も。
自分でおにぎり作って出かけて
また翌日その繰り返し。
うちに食事を作ってくれる人がいたら
どんなにラクだろうと常々思っていた心が,いかに甘かったか・・・。
不平や不満は言うまい。
全ては自分の心。あらゆることに感謝することが大切ですね。

感謝の心
★★★★★
2008-07-10
小説や物語で荒行・苦行ということは知っていましたが、それは想像や伝説の世界のことでまさか実際にあるとは思っていませんでした。著者は吉野山金峯山寺1300年の歴史で2人目という大峯千日回峰行を満行(達成すること)したのち、9日間、絶食、絶水、不眠、不臥という四無行も満行された方で、その体験を知るだけでも畏れ多いことのように感じました。常に謙虚で素直な心で喜んで行を進められたことや、自然の中で生かされている自分を感じていたことなど人間の中にある最も素となる感情や大切にしなくてはならないことを感じ取ることが出来ました。厳しい行の先に著者が到達した境地は「感謝」とお書きになっています。大自然のルールに沿って暮らしてゆくことの尊さが述べられていました。著者の謙虚なお考えに深く感動すると同時にこれから先、自分自身も心を込めて役目を果たしてまいりたいと思います。

本書を一言で要約すると・・・、
★★★★★
2008-06-20
「昨日よりも、今日。今日よりも、明日。」これが本書で言いたいことだ。なんで苦しい千日回峰業なんぞを行ったのか。飲まない、食べない、眠らない、座らない。こんな四無業なんぞをやって、何になるのか。バカじゃないのか。そんな疑問を持ちながら、本書を読んだ。凡人には分からない心境だと思う。

 本書の著者は、千日回峰業が大事だとは言っていない。むしろ、我々のような凡人であっても、日常の生活に「大事」があると言っている。それを一言で言えば、「昨日よりも、今日。今日よりも、明日。」こういう生き方をすることが大事なんだ、と。そして、自分にとっては、それは千日回峰業という形で、それを実行することになったのです。そんなことが書いてあった。

 人間たぁ、何であるのか。ますます分からん。

透明であること。無であること。
★★★★★
2008-05-11
千日回峰業を満行した僧は大阿闍梨となる。
塩沼亮潤師は吉野金峰山寺1300年の歴史で2人目となる大阿闍梨だ。
回峰行は、大峯山の山頂まで上って帰ってくる往復48kmのコースを、千日間休みなく行うものである。
ただし、期間は5/3から9/22まで。
満行までは9年かかる。
行者は短刀とロープを常に持参し、途中で挫折したときには命を絶たなければならないほどの苦行。
いったん行に入ると、体調は良いか悪いかではなく、「悪い」か「最悪」かなのだという。

塩沼師が僧となるために、仙台の家を出るとき、母親は味噌汁を作ってくれた。
朝一番の新幹線のため、朝食を食べる暇はない。
せめて味噌汁だけでもという親心。
味噌汁を飲み終え、いざ旅立ちのとき。
母親は塩沼師の茶碗と箸をゴミ箱に捨て、こう言った。

「もうお前の帰ってくるところはないと思いなさい。どうせお坊さんになるんだったら、砂をかむような苦しみを味わってきなさい。母ちゃん、ばあちゃんのことは何の心配もいらないから」

元気よく家を出たものの、新幹線の扉が閉まった瞬間、思いがこみ上げる。
しかし。涙はこらえて修行へ向かった。
後に回峰行500日目の頃、塩沼師は体調を崩し、行を断念しなければならないか、という状況のときに、この時のことを思い起こしてなんとか乗り切った。

「人生生涯小僧のこころ」

これは千日の満行を前にした999日目の夜に師がしたためた言葉だ。

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