記憶の仕組み

記憶の科学

記憶の仕組み

入ってきた情報をすべて記憶していたのでは人間の脳はパンクしてしまいます。そうならないよう人間の脳にはフィルターのようなものがあるはずです。

記憶は、脳の海馬という組織で作られるということがわかっています。海馬に流れ込んだ情報が感情を伴った強いものであったり繰り返しの情報の場合、その情報についての記憶回路が作られます。作られた回路はしばらくの間残り、また思い出すことができます。このようにして海馬に残った回路が私たちの一時的な記憶となります。ここで作られた回路は次の情報が入ってくると消えてしまうような不安定なもので、長期的に固定された回路ではありません。

次にこの一時的に作られた回路に何度も何度も電気が流れる(繰り返し学習をする)と、その回路に電気が流れやすくなる長期増強という特殊な現象が起こります。このようにして海馬の回路としていったん記憶(この記憶も数週間で消えてしまう)された後、最終的な記憶貯蔵庫である大脳新皮質にきれいに整理された形で記憶されていくのです。

もうおわかりだと思いますが、重要なのは何度も繰り返すこと。海馬にできた記憶回路も数週間で消えてしまうのですから、記憶を永久的にするためには大脳新皮質に回路が作られなければならないのです。覚えたからといっておしまいにするのではなく、覚えてからもさらに繰り返す過剰学習が絶対に必要です。

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